乗り遅れ?・・村上春樹さんでも読みながら考えます。
いや、乗り遅れているなどとは微塵も感じてはおりません。それにしてもこの3ヶ月、米国はよくも見事な(危険な)アクロバット飛行を続けていられるものだと感心しています。飛行機の痛み具合からすれば既に墜落してしかるべき状態にあるわけですが、機長の腕が優れているのか、目には見えない何らかの力が働いているのかわかりませんが、不安定ながら十分に高度を保ち続けています。(このところの異常な熱気は何かしら期待感が先行しているようにも見える株式市場ですが(不気味ですね。)、ここから先が本当に、本番ということでしょう。それにしても数千兆円(一説には6000兆円)と言われている国家の借金は今後も増加の一途を辿っていくのは間違いなさそうで、歴史的自転車操業の末路にはどんな事態が待ち受けていることやら。・・・・そうでしょう。GMに象徴されますが、米国はもはや選択の余地がないのですから。前門のトラ、後門の狼で、とても活路を見いだせる状況だとは思えません。
さて、一体何がトリガーに指を掛けるのか?何の予兆もなく、微風に触れた程度のことで、ある日突然暴発してしまうのか?
個人的に気になっているのは長期国債の行方、顛末です。もちろん、金利の上昇とドルの暴落はセットになって動きますから、気配はやがて明確な足音となって忍び寄り、世界を未体験ゾーンに引きずり込んで行くのでしょう。
今しばらく、20余年付き合い続けたムラカミ・ワールドの最新刊『1Q84』でも堪能しながら、市場の様子を眺めていたいと思います。(トップの写真は私がお付き合いしてきた村上春樹関連本です。)個人的には、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が、最高傑作と思っています。ワンダフル!
村上春樹氏と高度資本主義について
この物語も紛れもない傑作なのですが、80年代後半に出版された(日本がバブルを謳歌しはじめていた時期)『ダンス・ダンス・ダンス』という本の中で、主人公の青年が資本主義について語る場面があります。以下引用。
・・・それで僕は無駄というものは、高度資本主義社会における最大の美徳なのだと彼に教えてやった。日本がアメリカからファントム・ジェットを買って、スクランブルをやって無駄に燃料を消費することによって、世界の経済がその分余計に回転し、その回転によって資本主義はより高度になっていくのだ。もしみんなが無駄というものを一切生み出さなくなったら、大恐慌によって世界の経済は無茶苦茶になってしまうだろう。無駄というものは矛盾を引き起こす燃料であり、矛盾が経済を活性化し、活性化がまた無駄を作りだすのだ、と。
なるほど、と思いませんか?今の時代、むしろ無駄と矛盾に行き詰まって資本主義が崩壊する瀬戸際まで追い込まれてしまったと言えるのかもしれませんね。市場原理主義(超資本主義)のご本尊である米国は自爆の結果もはや死に体で、この幻想を支えることができる国があるとすれば皮肉にもマルクスをご本尊とする中国ぐらいなものですが・・・そうすんなりとは行かないのではないでしょうか?新しい時代が始まりつつあるのを肌で感じていますが、これまでの無駄と矛盾の清算がまったくなされていませんもの。強烈にクラッシュすれば、混乱は数年・・・でも、今の米国がやっていることはなりふり構わぬ延命策としか思えないのです。・・・まるで時間を稼ぎながら、奇跡が(あるいは世界が大混乱に見舞われる=戦争?)起きることを待ち望んでいるような。・・・・我々は今、帝国終焉の過渡期の姿を目撃しているのでしょう。
追記
過剰流動性相場?財政支出で出回っているお金が、商品に株式に・・・確かに世界中がお金でじゃぶじゃぶ、有り余ったお金が居場所を求めて徘徊しています。大恐慌を避けるために、覇権を手放さないために、もう一度世界的なバブルを起こそうと言うのでしょうか?毒には毒をもって制す?恐ろしや、一歩間違えば、世界はハイパーインフレの嵐に。タイタニックに悲劇では舵を切り始めた時すでに遅しでしたが、それでも浸水し完全に沈没するまでの時間が長かった為、多くの乗客が救われました。未曾有宇の悲劇でしたが、最悪の悲劇は回避できたわけです。仮に、・・・・これまで見たこともないような巨大な氷山に正面衝突ということになったら、一体どうなるのでしょう?などと、ウルトラ・ベアに徹している私です。
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